
2025年10月20日
制度・需給・コストの実証的検討
要旨
本稿は、学校(公立・私立、大学含む)に教材・教育サービスを販売したい企業にとって、自社での内製営業よりも営業支援代行(BPO)を活用する方が成果とリスクコントロールの両面で合理的であることを、公開統計・制度資料から検証する。
結論として、①教育現場の時間制約、②公共調達プロセスの煩雑さ、③需要の季節性(予算・学年暦)、④国内BPOの受容拡大により、専門BPOの方が獲得速度・合規性・単位コストで優位になりやすい。
市場調査とマーケティングの矢野経済研究所+3文部科学省+3p-portal.go.jp+3
1. 需要側の制約:学校は「話を聞く時間」自体が希少

文科省の勤務実態調査(令和4年度確定値)では、小・中学校教諭の週在校等時間の分布が50–60時間帯に厚い。
現場は授業・生徒対応・校務で逼迫しており、教材提案・デモ・見積照会のアポイント確保は平時でも難度が高い。
面談可能な“窓”は学期や行事に依存し、通常の法人営業よりも接点形成コストが高い。内製での“手作り営業”は人時当たり歩留まりが落ちやすい構造にある。文部科学省
2. 調達構造:公共系手続の“段差”が高い

公的機関向けの提案・入札は、電子調達(GEPS/調達ポータル)への登録、全省庁統一資格の取得、仕様書適合性の証明など、前提作業が多い。
価格競争以外の“適格性”(納入実績、セキュリティ措置、履行体制)を定量で示す必要があり、新規参入企業の学習コストは小さくない。
さらに、学校・教育委員会は広報や説明会運営など対外コミュニケーション業務を委託しており、教育関連の役務委託が制度上可能であることが各地の仕様書で確認できる(例:三重県の新設校プロモーション業務、福岡市の教員募集広報媒体作成等)。
教育機関側が委託を受け入れる素地が広がっている点は、営業BPOの併用にも追い風だ。
入札・契約の適正化指針(国交省所管資料等)も透明性・競争性の確保を明示し、手続の形式適合が成果に直結する。
手続慣れしたBPOは、RFI/RFP~応札~履行報告までの文書要件・スケジュール設計で内製より優位を取りやすい。
3. 需要の季節性:GIGA更新・年度替わりの“波”に同期

GIGAスクール構想の端末更新や関連機器整備は、基金・補助制度のスキームとガイドラインで運用され、年度内執行や更新年の集中需要が発生する。
BPOは「繁閑差(期末の集中商談、納期管理、証憑整備)」に合わせてチームを弾力化し、固定費ではなく案件に連動する可変費として運用できる。
自社の正社員営業だけでこの波に追随すると、オーバーヘッドや遊休のいずれかが発生しやすい。
4. 供給側の構造変化:国内BPOの受容と機能拡張

矢野経済研究所によれば、2024年度の国内BPO市場は5.09兆円規模(前年比+4.2%)、IT系・非IT系ともに拡大が続く。
官公庁需要の取り込みと生成AI活用の本格化が背景だ。営業・広報・問合せ一次対応を含む「教育領域のフロント業務」は、すでにBPOの射程内にある。
5. BPO優位の定量・実務論点
